作者: Shigefumi MAESAKI , Norihito TARUMOTO , Yoshinobu ABE , Toshiyuki YAMAGUCHI , Chiaki MATSUMOTO
DOI: 10.4058/JSEI.24.233
关键词:
摘要: 2006年10月から2007年4月まで当院血液内科の血液疾患患者を対象に改修工事に伴う血清中(1, 3)-β-D-グルカンとアスペルギルスガラクトマンナン抗原の変化を検討した.対象患者は当院血液内科入院中の58症例を対象とし,2006年10月から2007年1月までの3ヶ月間の改修工事前の患者血清延べ60検体と改修工事後の延べ21検体を比較した.工事前後の6ヶ月間にアスペルギルス症の発症は認めなかったが,統計学的な有意差はないものの,(1, 3)-β-D-グルカンの平均値は工事前が2.5 pg/mLであったのに対して,工事後は15.3 pg/mL,アスペルギルスガラクトマンナン抗原は工事前が0.3 C.O.Iに対して工事後は0.48 C.O.Iといずれも工事後に増加していた.以上の結果から,病棟の改修工事は血液疾患患者においてアスペルギルス症の発症危険となることが示唆され,十分な感染対策が必要と考えられた.