作者: Kazuya Tominaga
DOI: 10.2330/JORALBIOSCI1965.37.19
关键词: Osteoblast 、 Cell biology 、 Basic fibroblast growth factor 、 Chemistry 、 Extraction (chemistry) 、 Bone formation
摘要: 抜歯創治癒過程におけるbFGFの影響を解明するために, 抜歯窩でのbFGFおよびFGF-Rの局在ならびに骨形成と関連するALP活性の局在を観察した。ラットの下顎第一臼歯をエーテル麻酔下で抜歯し, 経日的に下顎骨を摘出した。bFGF, FGF-RおよびALPを免疫組織化学的および酵素組織化学的にそれぞれ検出した。さらに, 数匹のラットを安楽死させる前の10日間, カルセインの皮下注射を行い, 抜歯窩をLSMにて観察した。bFGFの局在は抜歯3日後に強く, 血管新生も同じく3日後に始まった。LSMにより骨形成は7日後に顕著になった。ALP活性およびFGF-Rの局在は, 抜歯窩底部から表層へと経時的に増強した。これらの結果から, 抜歯3日後に検出されたbFGFは線維芽細胞, 内皮細胞および骨芽細胞によって, 順に消費された。すなわち, 血管新生に伴って局所で増加した血清は, そのうちのなんらかの因子の作用により細胞のFGF-R量を増加させ, 当該部での経時的なbFGF濃度の低下を招いた。このため, bFGF至適濃度に勾配をもつ線維芽細胞, 内皮細胞および骨芽細胞は, 順に活性化される。その後, 骨芽細胞のALP活性が上昇するとともに骨形成が促進されると考えられる。