作者: Kazuhide HAYAKAWA , Shigeo FUJII
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摘要: 琵琶湖における塩化物イオン濃度の増加について文献をレビューするとともに,過去の水質定期観測データを収集して統合的な検討を行った。定期調査には,1920年頃からの大阪市と京都市調査による水道水源定期調査データと1960年代からの京都大学や滋賀県の定期観測データがあった。それらの分析方法や誤差,琵琶湖における濃度分布などを検討したところ,大阪市や京都市の観測データは,南湖の平均的な値として読み取ってもよいことが分かった。また,ある程度の精度範囲をとることで有意な増加傾向を見ることができた。琵琶湖水における塩化物イオン濃度の増加は,1920~1930年代と1960年代前半以降で確認された。1920~1930年代は工業排水に由来する増加であると推察され,1960年代前半以降については様々な議論があったが,文献を整理した結果,琵琶湖水における塩化物イオン濃度の増加は集水域からの人為的負荷の増加によるところが大きいと結論された。