直接基礎,杭基礎とパイルド・ラフト基礎の動的相互作用特性

作者: Xuezhang WEN , Nobuo FUKUWA

DOI: 10.3130/AIJS.71.53_3

关键词:

摘要: 耐震基準の性能規定化と共に導入された限界耐力計算法は、荷重 の動的効果を積極的に取り入れ、表層地盤の増幅や構造物との動的 相互作用効果を導入した点で、従来に比べて大きく進歩した。ただ し、現段階で地盤と構造物との動的相互作用効果を厳密に取り扱う ことは難しく、簡易な地盤ばねの形でモデル化されている。しかし、 基礎形式は、地表面基礎、根入れ基礎、杭基礎、パイルド・ラフト 基礎、根入れを有する杭基礎など様々な種類があり、それらの動的 相互作用特性の相違を適切に評価して取り入れる必要がある。また、 杭基礎およびパイルド・ラフト基礎の場合、様々な要因(例えば、 杭頭の接合条件、杭の拡底、ラフトの拡大部分、基礎底面の接触条 件など)の影響が考えられる。実際の基礎-地盤系を簡略なモデル で置き換える際には、それらの影響度合いを勘案して結果を吟味す る必要がある。 単独基礎の動的相互作用特性についての研究は、吉田による直接 基礎のインピーダンスと基礎入力動に関する系統的な研究 、杭基 礎に関する群杭効果と杭の地震応答に関する長谷川の研究 、パイ ルド・ラフト基礎を対象とした中井らの研究 、根入れを有する杭 基礎に関する喜多村の研究 などがある。また、異なる基礎形式の 比較については、杭基礎と地表面基礎を比較した飯場の研究 、根 入れを有する杭基礎を根入れ基礎や杭基礎と比較した高野らの研究 などがある。筆者らも直接基礎を対象に、隣接建物の存在 、基礎 の形状や形式 についての検討を行ってきた。異なる基礎形式につ いて同一の条件下で比較した系統的な分析例は、三浦等 の軸対称 有限要素法による解析的検討があるが、3 次元解析による検討は殆 どない。また、上述の各種要因の影響を要因別に検討した例も見ら れない。 そこで、本論では、地表面直接基礎、地表面杭基礎、パイルド・ ラフト基礎、根入れを有する直接基礎、根入れを有する杭基礎を対 象に基礎形式による動的相互作用特性の違いを分析する。さらに、 個々の基礎形式に対して、以下の要因の影響を検討することにする。 1 杭基礎の場合の支持層と表層地盤の S 波速度比 2 杭基礎の場合の杭頭条件(剛接合とピン接合) 3 杭基礎の場合の杭端条件(拡底の有無) 4 パイルド・ラフト基礎のラフトの拡大の有無 5 根入れを有する杭基礎の基礎底面の接触条件 これらの検討により、限界耐力計算法で利用されているような簡易 な相互作用ばねへの置換に際しての基礎的知見を得る。

参考文章(2)
Mohammed M. Ettouney, Joseph A. Brennan, Michael F. Forte, Dynamic Behavior of Pile Groups Journal of Geotechnical Engineering. ,vol. 109, pp. 301- 317 ,(1983) , 10.1061/(ASCE)0733-9410(1983)109:3(301)