作者: Takashi NAGASAWA , Toshihiro UCHIDA , Ryoji ONODERA
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摘要: ルーメン微生物によるタンパク質の分解機構を知るために,プロトゾアのエキソペプチダーゼ活性について検討した.全エキソペプチダーゼ活性はカゼインを基質として培養後,あるいは酵素反応後の遊離したアミノ基とペプチド量の差から求めた.山羊ルーメンから得た混合プロトゾアを塩類緩衝液中で培養したところ,活性はプロトゾアの細胞内画分に認められた.この活性は超音波破壊したプロトゾア細胞の遠心沈殿に主に分布していたことから,エキソペプチダーゼが細胞膜などに結合したものであることが考えられた.最適pHを超音波破壊したプロトゾアについて検討したところ,pH7.3付近にピークが認められたが,それより低いpHでもさらに高い活性が認められた.一方、ロイシル-β-ナフチルアミドを基質としてロイシンアミノペプチダーゼ様活性も測定したところ,細胞内の分布では可溶性画分に存在し,最適pHは7.8であった.これらのことからプロトゾアのエキソペプチダーゼには多くの種類があるものと考えられた.全エキソペプチダーゼ活性,ロイシンアミノペプチダーゼ様活性ともにアミノペプチダーゼBとロイシンアミノペプチダーゼの特異的阻害剤であるウベニメクス(ベスタチン)ではわずかに阻害されたにすぎなかった.したがって,プロトゾアにおいてはアミノペプチダーゼの関与は少ないことが示唆された。