作者: Kumiko UJIIE , Rie HANDO , Kiichi SATO , Mitsuru ABO , Akira OKUBO
DOI: 10.2116/BUNSEKIKAGAKU.53.1463
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摘要: 内分泌撹乱化学物質であるアルキルフェノール類・ビスフェノールA等の分布,動態を知るには多検体の分析が必要であり,実験室で前処理及び分析を行うためには,水試料の運搬に多大な労力とコストがかかる.そこで,採水サンプルを現場にて固相抽出するための,電源不要,小型で持ち運びが容易な装置を考案,作製した.まず,固相吸着剤の保存・運搬によるアルキルフェノール類及びビスフェノールAの保持能に変化がないことを確認した.また,サロゲート物質の添加法を検討することで,現場処理での回収率を算出できる方法を提案した.更に実試料として荒川の河川水を現場固相抽出法と実験室処理法により処理し,結果を比較したところ,本法では通常法よりも高いノニルフェノールの定量値が得られ,本法が環境中のより正確な成分濃度を知る上で有効であることが示された.