摘要: 火星大気飛行に代表されるような低レイノルズ数・高亜音速領域における翼の空力特性を評価するためには, 翼面圧力分布の計測が必要である. 圧力分布の計測には, 2 次元圧力分布を計測可能である感圧塗料 (Pressure-Sensitive Paint, PSP) を用いた計測が有効である. 本研究ではレイノルズ数とマッハ数を独立に設定可能である火星大気風洞 (図 1) を用いて低レイノルズ数効果および圧縮性効果を調査した. その際, 低圧領域で高い圧力感度を持つ PdTFPP/poly (TMSP)(図 2) を PSP として用いた (1). 平板表面の圧力分布を計測した結果, 模型前縁で層流剥離泡が形成されており, その長さはレイノルズ数に依存して変化することがわかった (図 3). さらに, レイノルズ数が小さい場合, 層流剥離したせん断層は層流のまま再付着するのに対し, レイノルズ数が大きい場合は乱流に遷移した後に再付着することを確認できた. また, マッハ数には剥離したせん断層の遷移を遅らせる効果があることを確認した (図 4).
参考文章(0)