作者: Toru Takahashi , Kazuo Shinoda , Makoto Miura , Zhe Jin , Shoichi Kobayashi
DOI: 10.3136/NSKKK.49.757
关键词:
摘要: 米粒に物理的処理である乾熱または湿熱処理後,粉砕した米粉の理化学特性および糊化特性を測し,以下の結果を得た.(1) 乾熱処理米粉(HDT米粉)の平均粒子径およびデンプン損傷度は,無処理米粉と比較して低下した.湿熱処理米粉(HMT米粉)のデンプン損傷度は,処理温度の上昇にしたがって増加しており,湿熱処理は米粉の消化性を高める加熱処理であった.また,加熱処理温度の上昇によって,米粉の明度の低下,赤色度および黄色度は増加した.(2) HDT米粉およびHMT米粉の膨潤力および溶解度は,無処理米粉と比較して低下し,特に高温測定時において顕著であった.(3) RVAやDSCによるデンプンの糊化特性では,HDT米粉およびHMT米粉の糊化温度の上昇,加熱時最高粘度の減少などの糊化特性の変化が明らかとなった.加熱処理米粉の糊化特性の変化は,加熱処理中のデンプン粒内におけるアニーリングによる構造変化に起因すると考えられた.(4) X線回折測定によって,HDT米粉の結晶性が無処理米粉よりも大きいことが示されたが,これはデンプン損傷度が低いことと矛盾しない.一方,HMT米粉は処理温度の上昇にともなって,回折強度が低下しており,デンプンが部分的に糊化していることを示した.また,アミロースー脂質複合体の形成の増加も認められた.