作者: Hajime Morohashi , Yoshikazu Toyoki , Yoshihito Nakayama , Keinosuke Ishido , Daisuke Kudo
DOI: 10.5833/JJGS.43.1037
关键词: Cancer research 、 Solid pseudopapillary tumor 、 Medicine
摘要: 症例は腹部腫瘤を指摘された50歳代の女性で,精査の結果,腹腔内の広範囲を占める膵由来の腫瘍が認められたため当科で膵体尾部切除術が施行された.病理組織学的に膵solid-pseudopapillary tumor(以下SPT)と診断された.免疫染色検査でgalectin-3の発現が低下していることから,高悪性度のSPTと判断されたため,術後は外来で慎重に経過観察された.術後約2年3か月にCTで肝転移が疑われる腫瘍が認められた.肝部分切除が施行されSPTの肝転移と診断された.SPTは一般的に予後良好な膵腫瘍とされている一方で約15%の悪性例の存在が報告されている.SPTの悪性度を示唆する所見はさまざまな報告がされているがコンセンサスの得られているものはない.SPTの悪性度を予測するうえでgalectin-3は有用であると考えられ,今後さらなる症例の蓄積が必要と考えられた.